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MP3 デコーダ IC VS1053b 実験ボードを作る

ユニバーサル基板で,MP3 デコーダ IC VS1053b ブレークアウト・ボードのクローンを作ってみた.

初出 2013-05-06
最終更新 2013-05-06

概要

VLSI VS1053b は,MP3 等圧縮音声のデコードおよび,GM Level 1 相当の音色を内蔵した MIDI 音源機能を持つサウンド IC である.各種マイコンからは UART/SPI で制御する.秋月電子で ¥700.

特徴

特に MIDI 音源内蔵という部分に魅力を感じ,かねてから QFP のはんだづけに挑戦してみたかったことも相まって衝動買い.早速 IC だけ変換基板上に実装したのは良いものの,実際に遊ぶにはそれなりの規模の周辺回路が必要.ここまでやったからには作るしかないと,ユニバーサル基板上に実装することにした.
VS10xx シリーズの製品は,SparkFun からブレークアウト・ボード[1] や Arduino シールド[2] が発売されており,回路図まで公開されている.これを参考に,データシートに載っている応用回路よりも潰しが効きそうな実験基板を作る.

設計

上記 SparkFun 製ブレークアウト・ボードの設計をそのまま流用する.電源 IC は異なるため,調達した部品に合わせる.2.8 V 出力のレギュレータが入手できず.2.85 V の Si91841 で代用している.
B タイプ基板 (95 × 72 mm) に収まるように実装.本物と比べると 2 まわりほど大きいが,ピンアサインも SparkFun のものと同一に揃えることにした.

制作期間

3 日

写真

クリックで拡大写真をご覧になれます.

雑感

はんだづけを思う存分楽しめたので,満足の限りである.もう二度とやらない.¥2,500 ほど出せば,小さくまとまった赤くて綺麗な基板が実際に手に入ったわけだが,そこから部品代を差し引いた残りの額と掛けた労力を考えると,明らかに割に合っていないように思える.正直な話,一発で動いたからまだ幸運だったのかもしれない.

ところで,SparkFun 製ボードのピンアサインは,VS1053b の端子との配線距離を十分考慮して設計されたものだとわかる.有り難くデッドコピーさせていただいたわけだが,ユニバーサル基板で自作するとなれば,それでも一部で耐熱ビニルワイヤによる長距離配線が目立つ (写真 3 枚目).一応耐熱ビニルワイヤ同士を編んで,できるだけ動かないように固定するなどの工夫はしてみたが,これも本来あまり良い事ではないだろう.

部品表

部品番号は原則的に,オリジナル (VS10XX-v15) の回路図と合わせている.電源周りのコンデンサは,C101 以降で新規に付番した.

番号種別品番数量備考
U13.3 V レギュレータTA48033S1
U32.85 V レギュレータSi91841DT-2851
U41.8 V レギュレータLM1117MPX-1.81
U2MP3 デコーダ ICVS1053b1
R1カーボン抵抗1.0 MΩ1
R2-5, R10-11, R14-17カーボン抵抗100 kΩ10
R6, R7a, R7b, R9カーボン抵抗20 Ω4
R8カーボン抵抗1.0 kΩ1
R12-13カーボン抵抗470 Ω2
C3, C8積層セラミックコンデンサ22 pF2
C9, C13-22積層セラミックコンデンサ0.1 uF14
C102U3: IN-AGND
C105U1: IN-GND
C107U4: IN-GND
C10, C12, C23-24積層セラミックコンデンサ0.01 uF5
C108U4: BP-GND
C11積層フィルムコンデンサ0.047 uF1
C101電解コンデンサ10 uF1U3: OUT-GND
C104積層セラミックコンデンサ1 uF1U4: OUT-GND
C106電解コンデンサ33 uF1U1: OUT-GND
LED1青色 3φ LEDL314LBD1
Q1水晶発振子12.288 MHz1シリコンハウス共立
JP1-2ピンヘッダ1x102
JP3ピンヘッダ1x71
JP4ピンヘッダ1x21

外部リンク

  1. Breakout Board for VS1053 MP3 and MIDI - SparkFun Electronics
    https://www.sparkfun.com/products/9943
  2. Music Instrument Shield - SparkFun Electronics
    https://www.sparkfun.com/products/10587
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